ダミーガラスの作成（ダミーガラスポリマー）

映画などのケンカのシーンでよく、ガラスのボトルで頭をたたいてボトルが割れたりしますが本物のボトルで俳優さんを殴ってはケガをさせてしまいます。このような場合は、軽量で割れやすい素材でダミーのボトルを作ったりします。
今回は、ダミーガラスポリマーというダミーガラスやボトルを作る材料を紹介します。これも浅草ギ研で販売しています。
このポリマーの使い方は簡単で、フライパンなどで熱してからシリコン型に入れて冷やすというものです。原型も実際のボトルなどから作れるため比較的簡単に作成することが出来ます。

それでは実際に手近にあったコーラのボトルのダミーを作ってみます。

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用意するものは
・ダミーガラスポリマー
・あきボトル
・囲い作成用ねんど（ねんど板と丸棒もあった方が良い）
・型取り用シリコン（浅草ギ研でも売ってます）
・フライパン（調理用に使っているものは使用しないで下さい。特殊メイク専用に一個買いましょう）
・ガスコンロ
上の写真の白いつぶがポリマーです。


SH15-2
ねんど板などにボトルを置きます。囲い用のねんどは、まる棒などであらかじめ板状にしておくと作業がしやすいでしょう。ねんどはヘラかカッターで板状に切ります。


SH15-3
ボトルの先端にフタをして囲いを作ります。ガラスボトルは良く見ると中心位置にうっすらと線が入っています。これはボトルを作るときの型の分割ラインです。よって、この線にそって分割ラインを作ると良いでしょう。


SH15-4
ボトルとのすき間はヘラなどで埋めていきます。このとき、すき間があいてしまうとポリマー注入後にその部分にはっきりと線ができてしまいます。なるべく直角に、すき間が無いようにします。


SH15-5
分割ラインにねんどをつけたらボトルの周りにくぼみを入れていきます。これは後で作るシリコン型どうしがかみ合うようにするものです。このくぼみが無いと、型どうしをあわせたときにズレてしまいます。


SH15-6
ボトルが半分ねんどにうまったところです。


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さらにその外側にねんどで囲いを作っていきます。精密な型取りの場合には囲いと原型（この場合はボトル）との間を広くしたり、囲いを高くしてシリコンを十分注入しないと形がくずれるおそれがありますが、今回のように初めから壊す目的のものをつくるのにシリコンを大量に使うのはもったいないのでボトルと囲いの間は狭くてもよいでしょう。但し、上の写真のような厚さではシリコン型がふにゃふにゃしてしまうので後で石膏かバーラップで補強します。


SH15-8
シリコンははかりなどで計量して硬化剤を混ぜ合わせます。今回は浅草ギ研でも販売している造形村製のEXシリコンを使用しました。このシリコンは硬化が早く、強度も強いのでお勧めです。本来は模型のフィギュアのキャストをするのに使われるものです。


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シリコンを節約する為に半分まで注入したら先端部をふさいでシリコンが流れないようにしました。


SH15-10
残りを入れます。


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この時、シリコンを４００ｇ用意したのですが、この形では若干足りなかったので割り箸などで中央によせています。シリコンの量が極端に少ない場合もこの方法が有効でしょう。シリコンは３０〜４０分でおちついてきますのでこの間、ずっと寄せる必要がありますが．．．貧乏な人はこの半分ぐらいにして、全体の流れるシリコンを上に上げ．．．を３０分繰り返しておちつくまで続けるという方法もありでしょう。（この方法は精密型取には向きません。）


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硬化剤を多めに入れたので３０分ぐらいで流れ落ちるのがとまりました。写真の右の方が左よりも高くなっています。


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今回、硬化剤を多めに入れて、快晴の昼間（気温３０℃）だったので４．５時間で硬化しました。


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カドの部分はカッターで切り取っておきます。


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さらにバーラップで補強をします。


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バーラップはすぐに硬化します。今回は一応３０分待ちました。


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裏返したところです。


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粘土を取り除くとこのようになります。ボトルの周りにシリコン型があり、そのさらに外側がバーラップで補強されています。バーラップではなく、石膏だけで補強しても良いでしょう。


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今度は反対側に囲いをつくります。


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シリコンが見えている部分にはシリコン離型剤を塗ります。


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再度シリコンを作り、注入します。今回は４５０ｇ用意しました。


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先端部分はシリコンを節約するために、やはりフタをします。


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残りを入れます。今回は少し多めに作ったので余裕です。


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このまま固まるまで待ちます。この時点で夜だったので寝ることにしました。


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硬化したらカドをカッターで切り取ります。


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そしてこの面もバーラップで補強しました。


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バーラップ硬化後にバーラップ部分をまず外します。


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シリコン型はシリコン同士がくっついている感じになっていますので指などですこしづつ外していきます。この時、あせって一気にやろうとするとシリコン型が切れる可能性があります。特に今回はシリコンを節約するために薄い型になっているので注意します。


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少しづつはずしていきます。


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半分が外れました。このシリコン型はバーラップでつくった補強に入れておきます。


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ビンを抜くを型の完成です。


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型をはり合わせるとこのようにコーラのボトル状の空洞ができます。これで型の完成です。

いよいよダミーを作ります。このパートは火を使うので、道具類はあらかじめ手の届く範囲において、動き回らなくてもすむようにします。又、作業中は軍手、ゴーグル、マスクを着用して焼けどをしないようにしましょう。ポリマー加熱中に煙が出るので換気もよくしておきます。


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はり合わせた型は太いゴムなどで固定します。このとき、張り合わせ位置がズレていないかを十分チェックします。


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フライパンにポリマーを入れて弱火で熱します。


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溶け始めたところです。すぐに溶けます。これは１００ｇぐらい入れていますがちょっと多いです。多いと厚いボトル、少ないと薄いボトルになります。


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とけるとこのようにゆるいアメ状になります。


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これを型にキャストします。


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入れたら速攻で型を回転させてポリマーが全体に行き渡るようにします。口からちょっと出るような感じで回すと良いでしょう。１分ぐらいでおちつきますのでそのまま放置して冷やします。急速に冷やすと気泡が入ったり割れたりしますので冬場などは型のシリコンを暖めておくと良いでしょう。


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固まったところです。


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これで完成です。口からはみ出した部分はカッターで切り取っておきます。
重さも、本物のボトルよりも非常に軽いです。

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割ってしまいました。
簡単な力ですぐに割れます。


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割れたところは本物のガラスのようです。


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とがっている部分をさわっても全然するどくないので安全です。これで手を切ろうとおもったら、その前にポリマーの方が割れるでしょう。


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壊したポリマーは再度加熱して使用することもできます。


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