<概要>
■ロボット用に作られたマイコンボード
A33Fはロボット用に作られたマイコンボードで、ロボット作成に必要な機能が多数搭載され、全ての機能はユーザー側で自由に使うことができます。
※マイコンボードなのでプログラムは入っておりません。プログラム事例を多数紹介しています。
■CPUはdsPIC33F
CPUはMicrochip社の16ビットの最上位機種 dsPIC33FJ256GP710 を搭載。36.85MIPSでの動作が可能です。このマイコンは簡易dsp機能もついており、また機能も豊富でまさにホビーロボットの製作に最適です。
■無償の開発環境
dsPIC33Fは無償の開発環境 MPLAB 及び、無償のCコンパイラ C30を使用できます。どちらのソフトウェアも浅草ギ研よりダウンロードできます。
※但し、プログラム書き込みに「専用デバッカICD2」又は「書き込み機PICKit2」が1台必要になります。
■microSDカードスロットを装備
microSDカードスロットを搭載しており、大容量の外部記憶が可能です。
(2007年12月現在で2GBのmicroSDカードで動作確認ができています。)
■USBシリアル回路を搭載
USBシリアル回路を搭載しており、最大460kbpsでPCと通信することが可能です。また、プログラム開発中はボードの電源をUSBから取ることも可能です。
■音声入出力回路を搭載
dsPIC33Fは音声CODECインターフェイスがあり、A33F上の音声サブシステムと接続されています。これにより音声PCMでの音声入力及び出力が可能です。音声入力は市販の小型マイク(ノートPC用、携帯電話用など)が接続できます。音声出力は8オームのスピーカー又は外部アンプに接続可能です。
■32chのセンサー入力
32chの12bitのADCポートがあり、浅草ギ研で販売している電圧出力型センサーを接続することができます。
■RCサーボポートとDCモータコントロールポート(オプション)
オプションボードA33F−EX1を装着することで30個のRCサーボと4個のDCモータ(又は2個のステッピングモータ)を駆動することができます。
※RCサーボの信号端子がオープンドレインになっているサーボ(近藤科学のロボット専用サーボなど)はオプションのA33F−EX2で32個のRCサーボを駆動することができます。EX2にはDCモータ駆動回路は付いていません。
■豊富なプログラム事例
A33Fはマイコンボードなのでプログラムを自分で開発する必要があります。但し、浅草ギ研のホームページでビギナー向けに使い方やプログラム事例を多数紹介しています。マイコンのあらゆる機能を使いますので、タイマー、シリアル通信、AD変換、SPI、I2C、CODEC(音声PCM)についても勉強できます。学習用にも最適。
■超小型設計!
実際にロボットに組み込まれることを想定して非常に小型に作っています。
<使用上の注意(必ずお読み下さい)>
・このボードは電子機器です。取扱い、輸送時には静電気対策を行ってください。ICの足や、各ピンを直接手で触ったりすると静電破壊される場合があります。作業時には放電ストラップを付けるなどの静電対策を行ってください。
・バッテリ使用時には電源ラインをショートさせると、バッテリが破裂・発火する可能性があります。作業中にはショートさせないよう十分注意して下さい。また、取り付け後も、あいている電源ラインに導電物質が触らないように注意して下さい。
・このボードはモータ制御も行えるので、大電流が流れる可能性があります。取扱を間違えると電源や基板が燃えたり破裂したりする可能性が非常に高いので、事例をよく読んだ上でお使い下さい。
<仕様>
<A33Fマイコンボード仕様>
基板用電源
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基本は+5V USBを使用しない場合は+5.0〜+15V (*1)
コネクタ:日圧B2B-EH (9V電池ケーブル付属) |
動作電圧
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3.3V |
基板消費電流
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80mA |
CPU
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dsPIC33FJ256GP710
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CPU速度
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36.85MIPS (内蔵高速RCクロック7.37MHzを使用) |
プログラムメモリ
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256KByte フラッシュメモリー
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RAM
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32768Byte |
ADC
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32 x 12-bit @500ksps |
タイマ
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16bit x 9 ※うち8個は2個づつを合体して32bitタイマとして使用可 |
外部記憶
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microSD ※2GBまでは確認済み |
音声入出力
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マイク入力、8オームスピーカ出力(PCM8KHz) |
通信
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USBシリアルにより最大430kbpsで通信可能
その他にUARTが1チャンネルあり |
寸法/重量
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寸法49x60mm 重量:21g |
付属品
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■電源ケーブルx1 (基板と9V乾電池をつなぐケーブル)
■2mmピッチピンヘッダ(ADCポート用) |
(*1)下記、電源の注意を参照願います。
<A33F-EX オプションボード仕様>
RCサーボポート
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30ch |
モータ制御
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DCモータ4ch(もしくはステッピングモータ2ch) |
※信号端子がオープンドレインのRCサーボ(近藤科学のロボット用サーボ)の場合はA33F-EX2を使用してください。
<A33F-EX2 オプションボード仕様>
※信号端子がオープンドレインのRCサーボ(近藤科学のロボット用サーボ)の場合はこちらを使用してください。
※EX2のサーボ信号端子はプルアップされています。
<A33Fピン配列>
<外観>
<I/Oピン配列>
※ANxxはCPUのADC端子です。ANxxピンは汎用IO、又はその他の機能としても使用できますが、初期設定ではADCの機能が選択されています。詳しくはサンプルプログラムを参照願います。
※Rで始まる端子が汎用IO(GPIO)です。その他兼用の機能についてはdsPIC33Fのデータシートを確認して下さい。
※UART1はUSBシリアルチップを経由してUSBminiBコネクタにつながっています。それとは別にU1RXとU1TX端子が基板上に配置されていますが、USBチップの影響で通常のUARTとしては使えない可能性があるので注意して下さい。非同期シリアル通信を使用する場合はUART2を使用してください。
※USBは通常販売されている タイプA−miniB のUSBケーブルで接続します。(別売。家電量販店又は電子部品店で購入してください。)
※電源(VCC)のコネクタは日本圧着端子製のB2B-EHです。商品には9V電池スナップ付きのケーブルが添付されています。他のバッテリなどにつなぐ場合は添付ケーブルを加工してください。
<CPUピン配列>
<SDカード部>
SDカードスロットはUSB−miniBコネクタの裏側に配置されています。SDカードは写真の方向に差し込んでください。抜くときは、もう一度押し込むと飛び出てきます。(一番初めに抜くときは、バネが硬くて戻りづらい可能性もあります。何度か抜き差しをしてみてください。)
※SDカードは別売です。お近くのコンビニ又は電子部品店でお求め下さい。microSDタイプです。「SDHC」タイプは未確認ですが、使用できない可能性があるので通常のSDカードを使用してください。SDHCは2GB以上の容量のものです。
<プログラムポート>
A33F開発時点では、プログラム書き込み機がICD2しかありませんでしたので、プログラムポートはICD2互換のモジュラージャックとなっております。しかし、その後、安価なPicKit2が発売されましたので、プログラムポートはとりあえずスルーホール(何も実装していない状態)になっています。
A33FにはICD2用のモジュラーコネクタが1個付属していますので、ICD2を使用する場合はこれをハンダ付けします。PicKit2を使用する場合はそれぞれの端子をPicKit2に接続してください。
PICKit2を使用する場合はこちらを参照してください。
A33F−COREを購入するとモジュラーコネクタが付いてきます。(写真右)
これを差し込んで、裏側でハンダ付けします。ハンダ付けは6箇所になります。尚、固定用のボスが入りづらいかもしれませんが、曲がらないようにまっすぐに差し込んでください。強度を保つために穴径がギリギリになっています。輸送時にピンが曲がってしまった場合はラジオペンチなどでまっすぐに修正してから取り付けてください。
モジュラーコネクタを取り付けた状態はこうなります。ICD2のケーブルを差し込むことができ、何度も抜き差しできますのでプログラム開発時に便利です。
<センサーポート>
ANxxの端子はマイコンのADC端子に接続されています。その周りには3.3V出力が配置されており、その外側にはGNDが配置されています。穴ピッチ(穴の間隔)は2mmです。これは浅草ギ研製のASシリーズの電源出力タイプのセンサー類と互換の配置になっておりますので、センサーを専用ケーブルで接続するだけで使うことができます。又、京商製のマノイセンサーボード用のセンサーも互換になっています。
A33Fのセンサーポートはスルーホールになっておりますので、センサーを取り付ける場合には2mmピッチのヘッダピンをハンダ付けします。2mmピッチヘッダピンは浅草ギ研又は電子部品店で販売しています。
※写真ではEX用のソケットが写っていますが、リリース版では添付されません。強度的な問題でEXは直接ハンダ付けになりました。
<電源の注意点>
A33Fは内部3.3Vで動きます。電源はVccに+5〜15Vの電源を接続することで基板上の3.3VレギュレータICを経由して基板に3.3Vを供給します。
A33FはUSBコネクタも付いており、ここにPCのUSBを接続すると、USBから5Vの電源を受けてA33Fを動かすこともできます。但し、基板内部の配線は、Vccからの入力もUSBからの入力も同じ経路につながっていますので、PCとUSB接続したままVccに5V以上の電圧を加えるとPCのUSB側に5V以上の電圧がかかりますので、場合によってはPCのUSBが壊れる可能性があります。USB接続時にはVccには電源をつながないように注意して下さい。
尚、A33F−EX及びEX2のモータ用電源は、A33F−COREのVCCとは接続されていませんので、EXのモータ用電源にバッテリなどを接続したままUSBをつないでも問題ありません。
電源入力の概略図
<A33F-EXピン配列>
<外観>
<I/Oピン配列>
※各端子は2.54mmピッチになっており、RCサーボのコネクタをさすことが出来ます。
※OC1〜OC8端子はアウトプットコンペア機能によりPWM出力(*1)が可能な端子です。使い方は下記サンプルプログラムを参照願います。 (*1)RCサーボの信号もPWMと言ったりしますが、こちらは本来意味のデューティー比でパワー制御するPWMです。DCモータやステッピングモータをパワー制御できます。
<COREへの取り付け>
※作業中は静電防止バンドを手に巻くなど、静電気対策を行って作業してください。
1)EX(又はEX2)の裏面の写真の部分にビニールテープを貼り、突き出た端子がA33F本体と接触しないようにします。テープは出来れば絶縁テープが良いです。
2)EX(又はEX2)を差込み、テープで仮止めします。なるべく水平になるように止めてください。後で微調整できますのでだいたい水平ぐらいでよいです。
3)裏返して、端子を1つだけハンダ付けします。
4)側面の仮止めテープをはがして、横から確認します。水平が出ていないようであれば、ハンダ付けした一箇所を熱して水平に調整します。
5)反対側も同じように、初めは一箇所だけハンダ付けして、微調整します。
6)水平になったようであれば、全ての端子をハンダ付けします。
<A33F−EX2ピン配列>
A33F−EX2は、DCモータポートが無いだけで、ピン配列はA33F−EXと同じです。各サーボ用の信号端子は全てプルアップされていますので、RCサーボの信号線がオープンコレクタのものでも動かすことができます。
<A33F+EX2>
A33F+EX2は、出荷段階でA33F本体にA33F−EX2を装着したものです。
<価格>
※A33Fにプログラムを書き込むにはICD2又はPicKit2が必要です。
<マイコンボード及びオプション>
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本体 A33F
税込み 24,150円 (本体価格23,000円) |
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オプション A33F−EX
税込み 10,500円 (本体価格10,000円) ) |
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オプション A33F−EX2
税込み 8,400円 (本体価格8,000円) |
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完成品 A33F+EX
税込み 37,000円 (本体価格38,850円) |
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完成品 A33F+EX2
税込み 35,000円 (本体価格36,750円) |
<プログラム書き込み機>
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ICD2(USBセット)
税込み 31,500円 (本体価格30,000円) |
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PicKit2
税込み 6,300円 (本体価格6,000円) |
※A33Fへのプログラム書き込みには専用書き込み機ICD2(デバック機能付き)又は、PicKit2が必要です。PicKit2は現時点でデバック機能はありませんが、将来的にPicKit2内プログラムのアップデート(おそらく開発環境PMLABのアップデートで自動アップデートされると思われる)でデバッカとしても使用できる見込みです。
<電源ケーブルの接続>
電源ケーブルは、なれないと差し込みづらいので、下の図を参照に、慎重に差し込んでください。まっすぐに挿入すると簡単に入ります。簡単に入らない場合は無理をして端子を曲げないように注意して下さい。尚、逆に挿そうとすると入りません。
電源ケーブルの逆側には、9V乾電池用のスナップが付いております。これは簡易的なものなので、何回も乾電池を抜き差しするとスナップ部がゆるみますのでご注意下さい。9V乾電池以外の電源を使用する方は、ケーブルを切断してそれぞれの電源に合ったコネクタを取り付けて下さい。電源ケーブルを切断する際は、電源がつながっていないことを十分注意した上で行ってください。通電したまま電源線をカットすると乾電池などが破裂する可能性がありますので注意して下さい。
<ドキュメント>
このページがA33Fの説明書になります。尚、製品には回路図が添付されます。プログラミング詳細については、下記サンプルプログラムを参照願います。
■製品に添付されている説明書
A33F説明書
A33F−EX2説明書
■マイコンチップのドキュメント
A33Fはマイコンボードなのでプログラムはお客様の方で自由に作成、書き込みすることができます。一通りの使い方の説明は下記サンプルプログラムのページに掲載していますが、その他詳細の使い方はマイコンチップの使い方を覚えることになります。マイコンチップの使い方についてはメーカーから下記資料が出ています。
dsPIC33Fデータシート
dsPIC30Fリファレンスマニュアル
(各機能の使い方詳細は30Fのリファレンスに書いてあります。33Fと30Fは特殊機能がほぼ同じ構成になっています。)
(dsPIC33Fのリファレンスマニュアルは現在のところありません。)
<サンプルプログラム>
こちらで、マイコンビギナー〜開発経験者の方に向けた事例を紹介しています。
<トラブルシューティングQ&A>
A33FのQ&Aはこちら
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