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微弱無線モジュール R80 の紹介

この製品は生産中止となりました。
後継機はAG−BT20Eになります。



<概要>

■310Mhz帯のデータ通信用微弱無線モジュール。

■通信速度:9600bps以下

■PLL周波数シンセサイザにより、ボード上スイッチの切り替えで周波数を80chに切り替え可能。ロボットコンテストでの無線通信に最適です。
※複数対のR80を使用している場合、狭い範囲では隣同士のチャンネルは干渉する可能性があるので実効40chになります。
※周波数の切り替えには電源の切り入りが必要です。
※基板上のスイッチでは00〜99まで100ch分設定できてしまいますが、動作保証は01〜80までの80chになります。

■5V動作で、マイコンのUARTなどと直接接続して通信することができます。PCと接続する場合には電圧のレベル変換を行う必要があります。詳しくは下記で説明します。

■基板上にヘリカルアンテナを装備し、外部にアンテナは不要です。35x45mmの小型設定で、ロボットへの搭載にも場所をとりません。
また、ボード上に電源回路を内蔵し、外部に電源回路が不要です。

■RTS/CTSフロー制御により、データの送受信切り替えが可能です。
※マイコンと接続してデータの送受信を行う場合はTx,Rx信号線の他に、このRTS/CTS用にIOピンを2つ必要とします。片方を送信専用、片方を受信専用にする場合はRTS/CTS用のIOは不要です。詳しくは下記にて。
※送信/受信切替には約130mS必要です。タイムラグ無しで双方向通信を行いたい場合は2対(4個)のR80が必用です。

■微弱無線なのでお使いいただくのに無線の免許は不要です。
※出荷時に法律で決められた出力に調整していますので、アンテナを変えて出力を増やすなどの改造はおやめ下さい。

■9V電池ケーブルと、通信ケーブル(無線ボード側にだけコネクタがついている線)付属。

<仕様>
電源電圧
 +7.5〜+12V (9V乾電池可能)
I/F電圧
 TTLレベル(0V/+5V)
通信速度
 9600bps以下
伝送信号
 デジタル、2値FSK変調
周波数
 309.025〜311.000MHz
 (中心周波数310MHz)
チャンネル間隔
 25kHz
チャンネル数
 80ch (*1)
周波数切替方式
 PLLシンセサイザ切替方式
 (ロータリーSWによる切替)
空中線電力
 500uV/3m
空中線インピーダンス
 公称50Ω
消費電流
 35mA以下
外形寸法
 W45xD35xH12mm
重量
 約30g
付属品
 9V乾電池用コネクタx1
 通信ケーブルx1
(*1) R80複数対を近距離で使用している場合は実効40ch。


<価格>
 1個 18,900円(本体価格18,000円)
 2個 35,700円(本体価格34,000円)


 ※通信には2つ以上のR80が必用です。

<ピン配列>
RTS:送信要求 (Highで送信要求)
CTS:送信可 (送信可能状態でHighに )
TXD:送信データ
RXD:受信データ
GND:グランド
+5V:+5V出力(MAX232など駆動用)

Vcc:電源入力 +7.5〜12V
GND: グランド
※コネクタは航空電子製 IL-S-6P-S2P2

<部品配列>

   
   ※ヘリカルアンテナは曲がりやすいので注意して下さい。


<動作説明>

(電源投入)
 電源を入れると電源LEDが赤く光ります。
 送信又は受信を行っていない場合は通信表示LEDは点灯しません。

(送信動作)
 RTSをHigh(5V)にすると通信表示LEDが赤く光り、無線機が搬送波(データではありません)を出力し始めます。
 無線の出力状態が安定した後にCTSがHigh(5V)になり、データ送信可能となります。
 TXDにデータを流すと、そのデータが無線で飛ばされます。最大通信速度は9600bpsでそれ以上速いデータを送信すると受信側に正確なデータが行きません。9600bps以下のスピードであれば、そのデータ(0V/5Vのオンオフ)がそのまま出力側のRXDにあらわれます。
 RTSをLowにすると、無線機は搬送波を止めて送信可能状態を解除します。この後、通信表示LEDが消灯します。

(受信動作)
 送信機と同じ周波数の搬送波を検知すると、無線機は受信状態になり、データを受け取れる状態になると通信表示LEDが緑に光ります。
 送信機から送られてくるデータがRXDより出力されます。
 送信機のRTSをLowにして搬送波が無くなると、受信可能状態を解除して、通信表示LEDが消灯します。

RTS/CTSを制御して通信機を送信状態又は受信状態に切り替えるには約130mSの時間がかかります。データを一方方向にしか送らない場合は送信側のRTSを常にHighにすることでこのタイムラグの問題はなくなります。


<接続例>


  1)PCからマイコンへ一方方向へデータを送信するだけの場合
   
   


  2)マイコンからPCへ一方方向へデータを送信するだけの場合

   



  3)PCとマイコンを双方向接続する場合

   双方向接続の場合は下の図のように接続します。
   無線機のRTSはRS232Cレベルの電圧に耐えられるように設計されていますのでPCと直接接続できます。
   無線機のCTSは0V/5V出力ですが、現在のPCのほとんどはこの電圧レベルでも動作しますので直結できます。
   送受信の切替には約130mSかかります。

   


  4)PC同士、マイコン同士を双方向接続する場合

   PC同士の場合は3)の図の上のセットを2つ作ればPC同志で双方向通信ができます。
   マイコン同士の場合は3)の図の下のセットを2つ作ればマイコン同志で双方向通信ができます。


  5)PC同士、マイコン同士で一方方向だけに通信する場合

   PC->PCへ一方方向にデータを送信するだけの場合は、送信側を1)図の上、受信側を2)図の下に接続します。
   マイコン->マイコンの場合は送信側を2)の上、受信側を1)の下のようにします。



  *MAX2323Aの詳細(MAX232Aはチャージポンプ用のコンデンサが必要です。)

   


<注意事項>

■有線のシステムを無線に置き換える場合は通信ができなかった場合のことを考慮する必要があります。最近のシリアル通信装置の性能は良いので、通常の有線のシリアル通信システムでは通信ができなかった場合を考慮していない場合があります。
  この無線機に限らず、市販の有線型ロボットなどを無線化する場合には通信ができなかった又は通信途中でデータが変わってしまった場合にどうなるか(フリーズする、暴走する可能性がある、など)をよく確認願います。
 ご自分でマイコンシステムを構築している場合にはチェックサムをつけるなど、エラー対策を入れることをお勧めします。

■この無線機はTTLレベル(0V/5V)で動きますが、PCのシリアル通信ポート(COMポートなど)は違う電圧レベルで動きますので、間違った接続をすると無線機が壊れる可能性があります。PCのシリアル通信については「Windowsアプリを組んでみる」で詳しく説明していますので一度ご参照願います。

■ボード上のヘリカルアンテナは曲がりやすいので、ロボットに搭載する場合は稼動部がぶつからないように注意して下さい。

■通信距離は使用する環境によって大きく変わります。弊社の実験の結果では、ロボットコンテスト(ROBO−ONE)の会場で無線LAN、微弱無線、特定小電力無線(ラジコンプロポ)、ブルートゥースが約30〜40システム稼動している状態で、見通しで到達距離が約20mでした。電波を遮断や反射する物体が間にあると到達距離は著しく低下します。
 
■現在の日本の電波法では無線を使う場合には免許が必要となっています。ラジコンの場合は特定小電力無線というものを使用しているケースが多く、これは製造している会社が決められた機関に申請をして「使用者には免許は不要だが、無線機器に適合シールを貼る」というものです。また、ここで紹介するR80は「決められた周波数の決められた出力以下の場合には免許は不要」というものです。R80はアンテナを高性能なものに交換するなどの改造を行わない限りは安心して使用できます。
 海外製の無線機などでは、微弱無線という名称であっても日本の電波法の規格に沿っていないものもありますので注意して下さい。




<ドキュメント>

■R80取扱説明書




<使い方事例、サンプルプログラム>

■PCとR80との接続(PC無線ボードの製作例)


■RCサーボコントローラSC−01とPCをR80で無線接続する

■PCから無線でデータを送信するアプリケーションソフトの作成

■ATmega32(AT-WALKER)とPCをR80で無線接続する

■PCからBASICスタンプへ無線でデータを送る

■マイコン同士の双方向無線通信の例



<Q&A>


※Q&Aにつきましては、お問い合わせ、ご質問の多いものから随時掲載していく予定です。
 



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