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電流センサー「AS−AM」 の紹介
 



<概要>

■電源ラインなどの電流値を電圧値に変換するセンサ

浅草ギ研の「電流センサー」AS−AMは、電流値を電圧値に変換する電圧変化型のセンサーで、電流値が大きくなると出力する電圧が高くなります。ロボットなどの電流出力状態の監視などに最適。電圧変化型出力なので、各種マイコンのADコンバータ機能や、浅草ギ研製センサーボードAGB65−ADCで値を読み取ることができます。

■広い電源範囲
電源電圧及び測定電圧は3V〜28Vなので、乾電池、ニッカドバッテリ、リチウムポリマーなどの各種電源の監視に向いています。

■超小型設計!
ロボットなどに基板を搭載する場合はその大きさがネックになりますが、このセンサーボードは極力小さい部品で構成されており、実装面積が小さくて済みます。



<仕様>

電源電圧
 +3〜+28V
測定電圧
 +3〜+28V 
検出抵抗
 10mオーム 3W
ゲイン
 20倍
出力電圧
 0V〜電源電圧 (*1)
出力端子
 2mmピッチスルーホール (一般的な2mmピッチピンヘッダを取り付け可能)
寸法/重量
 寸法25x10mm 重量:約1g
(*1)測定結果は環境に大きく依存します。下記に例を示しています。


<ピン配列>

   


 ※端子は2mmピッチスルーホールになっています。AGB65-ADCやマノイセンサーボードと接続する場合は別売りの2mmピッチピンヘッダを購入して下さい。(浅草ギ研で販売しているのは40列なので3列にニッパなどで切ってからハンダ付けして下さい。2.54mmピッチも販売しているのでお間違いなく。)



<価格>

 税込み 4,200円 (本体価格4,000円)

<オプション>
 ヘッダピン2mmピッチ 1列x40 252円(本体価格240円)
 センサーケーブル2mmピッチ3P-3P 20cm 315円(本体価格300円)
 センサーケーブル2mmピッチ3P-3P 20cm 10本セット 2,625円(本体価格2,500円)
 *20cm長の3本ツイストケーブル両端に2mmピッチx3ピンのメスコネクタが付いているもので、ADCのセンサポートに合います。
 *コネクタはヒロセ製A4B-3S-2Cです。

 



<ブロック図>

 センサーは電流経路に直列に接続します。センサーボード上の電流検出用抵抗に電流が流れると微小な電圧降下が発生しますのでそれをアンプで増幅して出力しています。よって、電流の値によっては負荷への供給電圧が微小に変化するので注意してください。
 たとえば、負荷がロボットで電源が10.8Vのニッケル水素バッテリだったとします。ロボットなどは場合によっては数アンペアの電源が流れますが、2Aの電流が流れた時には検出抵抗が10mΩなので2x0.01=0.02V負荷への電圧が下がってしまいます。しかし、通常はバッテリなどは状況によって電圧が変わるし、一定の電圧をキープすることは無いと思いますのであまり問題にならないと思われます。電圧降下の影響が少ないように検出抵抗は値の低いもの(10mΩ)を使用しています。

  



<接続例>

 下記接続例です。このセンサーは電源ラインに直列に接続するので接続間違いが無いように注意して作業してください。ニッカドバッテリやリチウムポリマーなどの二次電池は非常に大きなパワーがあり、ショートなどすることにより発火の可能性があります。
(実際に筆者はバッテリ周りの作業中に発火した事故を多数見ていますし体験もしています。)

  






<出力値について>

 流れる電流が増えると電圧も上がります。電流が流れていない場合は出力は0Vになります。何A流れると何ボルトになるか?という問題ですが、これはシステムにより異なりますので実際に測定して値を割り出すことが必要です。
 センサーの抵抗値が低いので、ちょっとした配線の違いなどでも出力電圧は変わってきますが、同じ環境(システム?、ロボット?)なら値はほぼ同じになります。ちょっとした配線などでも変わるので、たとえば、計測用に電流計(テスターなど)を接続しただけでも値が変わりますので、実際に稼動する環境でセンサー値を確認していただくようお願いします。

 尚、設計上は出力電圧は0〜2Vまでに設定してありますので、センサーボードの電源電圧付近まで電圧が上がることはありません。(理論的には)


<実際の計測例>


 目安として、実際にロボットに流れる電流を測定した例をご紹介します。


1)電流が流れていない状態

 実際に測定するものとして京商製ロボット「マノイAT」がありましたのでこのロボットの挙動によって変化する電流を計測してみます。
 後ろを向いて電源が切れている状態

 マノイセンサーボードがあればきれいに実験できたのですが、手元に無かったので浅草ギ研製AGB65−ADCで計測してみます。値はPCに送って表示させてみました。実際にはロボット内蔵のコントローラなどで判定して動きを変える、などの使い方になるでしょう。
 AGB65-ADCとPC接続用ボードを接続

 AS-AMとは専用のセンサーケーブルで接続します。尚、AS-AMには端子が付いていませんので2mmピッチピンヘッダを取り付けました。赤い線はバッテリラインの+を切断して直列に入れています。
 

 計測用にさらに電流計を直列に接続しました。上の写真の状態のマノイは電源が切れているので0A(アンペア)。
 

 この状態で値を計測したのが次の結果です。AGB65−ADCで計測した結果をPCで表示するプログラムについてはAGB65−ADCのページを参照願います。
 


2)直立状態

 次にマノイATを起動させてみます。
 

 起動直後は沢山のサーボが動くので、テスターは1.6Aの表示になりました。尚、テスターで表示された値はおそらく平均値のようなものが出ていると思われ、瞬間ではもっと大きかったり少なかったりします。サーボは常に動きながら位置調整していますので。テスターは表示速度が遅いので速い値変化にはついていきませんので注意してください。
 

 上の写真のようにホームポジション(直立で楽な姿勢)になって安定したら150mAの表示になりました。
 

 ここで値を読んでみると、値が68となりました。12bitモードで読んでいるので単純計算では5V/4096x68=83mAとなります。この値の違いは配線やシステムの構成によるもので、詳細を計算で求めようとするとおそらく無理なので実測の値を使うようにしてください。ちなみに、上のテスターを外すと同じ姿勢でも値は変わってきます(テスター分の抵抗が無くなるので)。
 ともあれ、電流が流れていない状態よりは値が上がりました。
 


3)負荷状態

 次に、電流消費を上げるためにマノイをぐっと押さえ込んでみました。サーボは常に指定位置に止まるように動いているので電流は上がるはずです。
 
 テスターの値は1.2Aに上がりました。
 
 ここで値を計測すると先ほどよりさらに値が上がりました。
 


 このようにして、ロボットなどのシステムの負荷状況をセンサーで計測することもできます。

 尚、再度書きますが、何Aなら何ボルト、というのはシステムにより異なりますので一概にはいえません。ロボットやシステムを実際に稼動する状態で計測してください。



<ドキュメント>

 ■電流センサー取扱説明書



<トラブルシューティングQ&A>

Q:出力信号電圧をADコンバータで読んでも0しか出力されない。
A:対象のシステムによってはセンサー部の電圧降下が非常に低くなる場合があります。たとえば、マブチモータに単三乾電池をつないだ場合の電流値を計測しようとすると、無負荷時(モータの軸になにもつないでいない状態)だと普通のADCでは計測できない程度の変化しか現れません。このような場合はモータに負荷をかけてみて計測してみてください。
A:センサーボード用の電源電圧を測定して、許容範囲内かを確認して下さい。

Q:測定結果がふらつく
A:システムによっては高速に電流が流れたり流れなかったりを繰り返すようなものもあります。たとえばRCサーボを使ったロボットの電流計測の場合、同じロボットが同じように立っている状態でも実は姿勢を維持するために常にサーボ内では電流が流れたり流れなかったりしていますのでタイミングによっては値が変わることが予想されます。


<使用上の注意>


・このセンサー電流を計測するので、大電流が流れる場合はセンサーボード(特に裏面のIC)が非常に熱くなりますので注意してください。

・このボードは電子機器です。取扱い、輸送時には静電気対策を行ってください。ICの足や、各ピンを直接手で触ったりすると静電破壊される場合があります。

・バッテリ使用時には電源ラインをショートさせると、バッテリが破裂・発火する可能性があります。作業中にはショートさせないよう十分注意して下さい。また、取り付け後も、あいている電源ラインに導電物質が触らないように注意して下さい。




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