<概要>
■荷重を電圧値に変換するセンサ
浅草ギ研の「静電タッチセンサー」AS−CTSは、本製品に取り付けた電線がセンサーとなり、その電線を貼り付けた物体になにかが接触したかを検知するもので、人間はもとより、鉄、アルミ、プラスチックなどの無機物でも反応します。電圧変化型出力なので、各種マイコンのADコンバータ機能や、浅草ギ研製センサーボードAGB65−ADC、インタフラクティブインターフェイスなどで値を読み取ることができます。センサーポートは4つ。
■取り付け場所、形状を選ばない
センサー部は基板に取り付けた電線になります。電線の形状、長さは問いません。電線を、タッチセンサーとして測定したい場所に貼り付けると、その電線と貼り付けた物体が静電タッチセンサーを形成します。ボード起動時の静電容量を基準として、なにかが接触した場合(静電容量が上がった場合)に、出力電圧が高くなります。出力電圧は電源電圧を最大とした256階調で出力されます。
■非接触センサー
非接触で測定できるので、すでに出来上がっている物体の裏面に貼り付ける、などができます。
■対象物を選ばない
静電容量を持った人間などはもとより、アルミやプラスチックなどの無機物の接触も検知できます。
■広い電源範囲
電源電圧及は2.7V〜5.5Vで動作します。
■超小型設計!
ロボットなどに基板を搭載する場合はその大きさがネックになりますが、このセンサーボードは極力小さい部品で構成されており、実装面積が小さくて済みます。
<仕様>
電源電圧
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+2.7〜+5.5V |
センサ数
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4 |
サンプリング間隔
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80mS毎に測定して出力が変化 |
入力端子
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2mmピッチスルーホール (電線をハンダ付けして下さい) |
出力端子
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2mmピッチスルーホール (一般的な2mmピッチピンヘッダを取り付け可能) |
寸法/重量
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寸法18x20mm 重量:約1g |
<ピン配列と寸法>
※センサー端子には、適当な電線をハンダ付けしてください。それがセンサーになります。
※出力端子は2mmピッチスルーホールになっています。AGB65-ADCやマノイセンサーボードと接続する場合は別売りの2mmピッチピンヘッダを購入して下さい。(浅草ギ研で販売しているのは1x40列なので3列にニッパなどで切ってからハンダ付けして下さい。2.54mmピッチも販売しているのでお間違いなく。)
<動作説明>
<起動時キャリブレーション及び動作中>
起動後、1〜1.5秒間、各センサー端子の静電容量を測定し、その平均値を基準値(値0)と します。(キャリブレーション)
その後、センサー端子の静電容量が増えると、対応した出力端子の電圧が上がります。出力電圧の上限は電源電圧となります。静電容量の測定は80mS毎に行われ、出力電圧も80mSごとに変化します。通常は、センサー部になにか接近もしくは接触した場合(センサーの接触領域が広がる)に静電容量が上がります。
<電線の長さと形状>
電線は長いほど感度が上がります。また、対象物にコイル状に貼り付けると感度が上がります。
対象物に長く、又は広く電線を貼り付けると、対象物にどのぐらいの面積が接触しているかなども測定できます。この場合、感度が良すぎるとすぐに出力が飽和するので、コイル状にしない、などわざと感度を落とした取り付け方が良いです。
<接触対象物>
人間などの水分を含んだ物体は静電容量があるので、よく感知できます。
アルミやプラスチックなども一見静電容量がなさそうですが、感知するのには十分です。たとえば、市販のロボットキットのアルミフレームの内部に電線を貼り付けた場合、アルミ製の別なロボットに接触されても十分検知できます。
<動くものへの取り付け>
動くものへ取り付ける場合ですが、動いたことによって静電容量が変わる場合がありますので、動くたびにキャリブレーションを行う必要があります。つまりAS-CTSの電源を切り入りする必要がありますので注意してください。
たとえば、下のように市販のロボットキットMANOIの腕にセンサーの電線を付けたとします。赤い線がセンサーの電線です。ちなみに、写真では簡単に線を貼り付けているだけですが、ロボットの外装の裏に貼り付けて見えなくしても同じようにタッチセンサーとして機能します。
この状態で起動した場合は腕が胴体から少し離れた状態でキャリブレーションされますのでこの状態が基準となります。
その後、ロボットのポーズを変えて腕を胴体に近づけたとしますと、胴体の接近を検知して、センサーの出力が出っ放しになってしまいます。
よって、このような動くロボットに取り付ける場合は、ポーズ毎にAS-CTSの電源をリセット(切り入り)する必要がありますので注意してください。
<出力例>
電線の長さと取り付け形状、及び取り付けた物体の種類によって出力電圧は変わります。出力電圧は電源電圧以上にはなりません。
下の例は、AWG24相当の電線(一般的な工作に使われる電線)を15cmに切り、1mm厚のプラスチックの裏に直線に貼り付けた場合の出力例です。電源電圧は5V。縦軸の1マスは1秒、横軸の1マスは2Vに相当します。
<価格>
税込み 2,625円 (本体価格2,500円)
<オプション>
ヘッダピン2mmピッチ 1列x40 252円(本体価格240円)
センサーケーブル2mmピッチ3P-3P 20cm 315円(本体価格300円)
センサーケーブル2mmピッチ3P-3P 20cm 10本セット 2,625円(本体価格2,500円)
*20cm長の3本ツイストケーブル両端に2mmピッチx3ピンのメスコネクタが付いているもので、ADCのセンサポートに合います。
*コネクタはヒロセ製A4B-3S-2Cです。
<接続例>
<端子の処理及び取り付け>
<センサーケーブルを使う場合>
センサー基板には2mmピッチスルーホールが空いていますので、AGB65-ADC、インタラクティブインターフェイス、マノイセンサーボードに取り付ける場合には別売のヘッダピン2mmピッチをハンダ付けすると、浅草ギ研製センサーケーブルが使えます。
ピンヘッダを取り付けた例
<トラブルシューティングQ&A>
Q:タッチしても出力が出ない
A:電源電圧を確認してください。
A:このセンサーは起動時にキャリブレーションを行うので、タッチした状態が起動時の静電容量より小さいと反応しません。たとえば、起動時に対象物を両手で持っており(静電容量が高い)、その後机の上などにおいて指で触っても(静電容量が小さい)反応しません。
Q:瞬間的なタッチに反応しない。
A:このセンサーは出力電圧を80mS毎にアップデートしています。よって、タイミングが悪いと、瞬間的なタッチは検出できません。瞬間的なタッチを検出する場合は特注対応で作ることは可能です。メールにてお問い合わせ下さい。
Q:ずっと出力電圧が出っぱなしになっている。タッチすると電圧が変化する。
A:起動時と状態が変わった可能性があります。電源を切り入りする必要があります。
Q:ずっと出力電圧が出っぱなしになっている。タッチしても同じ電圧で変わらない。
A:センサーに使っている電線に、なんらかの拍子で大きな電流が流れると、そのセンサーポートが破損する場合があります。破損の疑いがあるポート以外を使用してください。尚、センサーを4つ全部使いたい場合は新品を購入していただくことになります。修理は出来ませんのでご了承下さい。
<使用上の注意>
・バッテリ使用時には電源ラインをショートさせると、バッテリが破裂・発火する可能性があります。作業中にはショートさせないよう十分注意して下さい。また、取り付け後も、あいている電源ラインに導電物質が触らないように注意して下さい。
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